「深層筋手技療法」勉強会(6/30土)

今回の勉強会は肩こりの施術のパターンです。好発部位は写真1の首の付け根です。ここにしこり(筋硬結)がある場合が殆んどです。男性は基本的に女性に比べて筋肉が太い為、肩こりが起きにくいのですが、過去に寝違えなどを生じて、ここに筋断裂がある方は慢性的な肩こりに悩まされます。この筋肉は写真2の肩甲挙筋ですが、一般的にはインナーマッスルと呼ばれ触りにくいと言われますが、触察の仕方が分かれば簡単に分かります。また、女性で肩こりで猫背になり顎を突き出す方は写真3の僧帽筋下行線維が固まっている為、顎を前方に突き出して伸ばそうとして姿勢が悪くなります。マッサージでは全体的に押して肩こりをほぐそうとしますが、キーポイントを知らないとすぐに戻ってしまいます。我々は先ずこの2点を集中的に緩めてから全体的に広げて施術します。ほぐし方を知らないと30分かけても効果はでませんが、方法を知っていれば10分で結果は出ます。

写真1                      写真2

 

写真3

「深層筋手技療法」勉強会(6/23土)

今回は頚部の施術としこり(筋硬結)の緩め方の勉強会です。頚部は写真1の頭最長筋に筋硬結が多く、特に写真2の頸椎2番の外側は眼精疲労や片頭痛の好発部位です。この筋硬結を検索してどの方向から両母指で押すのかを感覚としてある程度身に付ける必要があります。初心者の殆んどは両母指に力が入りこの筋硬結を潰してしまい、正しい方向が分からなくなるので、筋硬結を「おわん型」とイメージしてその表面をなでるように検索するように伝えました。この感覚を身に付ければ筋硬結の「芯」の位置が分かるようになり、その芯に両母指の先端を刺すように押していくことを体で覚えていきます。30分程で女性は体感できたので、次は芯に突き出したまま緩むまで待つ「持続圧迫」に移行しました。すると女性が「何か固まりがとろけるように母指が勝手に沈んでいく」と言い、「それが緩む感覚で、その箇所の痛みを抜くコツだよ!!」と伝えました。一度この感覚を成功体験で身に付けていれば、体のあらゆる箇所で再現していくだけです。次回は肩の練習ですが、このことを繰り返していけば3ヵ月で体中の痛みは抜ける「コツ」を覚えられます。

写真1                    写真2

 

「深層筋手技療法」勉強会(6/21木)

今回は殿部の痛みの出やすい(好発部位)箇所と両母指の押し方を覚える練習です。殿部は座っている状態で体重がかかる為、しこり(筋硬結)が出やすい部位で両母指で適確に検索して悪い箇所を探す必要があります。また、股関節痛は写真1の大腿骨頸周囲が固まり、特に写真の「L字」の頂点に筋硬結が存在しているケースが多いです。

筋硬結を緩めて痛みを軽減するには筋硬結の表面からその「芯」に両母指が刺さる感覚を身に付ける必要があります。このときに大切なのが写真2の両手の形が大切で母指以外の四指がリラックスしていなければなりません。殆んどの施術家はこの四指の指の付け根に力が入り、そのために母指が浮いて筋中に沈められません。これは「てこの原理」で四指の指の付け根が写真2のように浮いていれば簡単に母指の先端は沈められます。このようなことは「コツ」であって教わればすぐにできるのですが正しいフォームを教えられる方はなかなかいないようです。今後も若い施術家を育成して「痛みのとれる施術」を伝えていけるように一生懸命指導していきます。

写真1                    写真2

 

「深層筋手技療法」勉強会(6/16土)

今回は「殿部の筋肉を緩める」ことを覚えることです。写真1の大殿筋、写真2の中殿筋、そして写真3の股関節です。肘を使っての練習ですが、女性も肘の使い方にかなり慣れてきたので、私の教えたことにかなり早く反応するようになっています。後半は両母指で痛みの箇所を検索してそこを直接押して緩める練習ですが、この母指をしこりに「沈める」という感覚が難しいようで(実際にできる人は少ない)、今日はこの感覚を身に付けてもらうことになりました。悪い箇所を押すときに両手を写真4のように置くのですが、殆んどの肩は母指以外の四指の指の付け根(MP関節)に力が入ってしまい、そのために母指が浮いてしまうので、力で母指を沈めます。これは「コツ」があり、写真4のように四指の付け根に力が入らなければ簡単に母指の先端をしこり(筋硬結)に突き刺せます。このように教われば簡単にできることも自分で考えてもなかなか出来ないことは多いようなので、1つずつ丁寧に指導していこうと考えています。

写真1                 写真2

 

写真3                  写真4

 

「深層筋手技療法」勉強会(6/14木)

今回から夜の勉強会に男性1人が参加しました。柔道整復師で去年の4月に国家資格を取得したそうです。毎日30~40人の施術をしているということで時間にすると9~10時間フル回転です。この男性は、毎日施術をしていて「治す施術をしたい」と考えていたようです。この業界では毎日忙しく働いているが、本当の技術を教えてもらえずに苦しんでいる施術者が非常に多いです。しかし、この男性も1年でこのことに気付いたので立派です。普通は3年位で「自分はただ毎日施術をしているだけで治せないままで良いのか?」と考えるのですが、ここで正しい技術を身に付けたいと考える人と、この方が楽だからこのままで良いと流される人に分かれます。この1年は自分で考え、いろいろと勉強して今の手技をやっているとのことですが、独学にしては非常に高いスキルで驚きました。今回は1回目なので、肘の使い方を下肢で教えました。完全に力任せで「あたりが痛い」手技を、体重をかけて押す方法に変えました。人から技術を教わることが非常に新鮮だったらしく、汗をかきながら練習して8時から9時半までの1.5時間で習得してしまいました。「今の若者は指示待ち世代で言われたことしかやらない」と当院に来られる管理職の方もよく言っていますが、そんなことはありません。しっかり自分の考えを持ち、自分の意思表示のできる若者もいるんだと感心しました。また来週も教えてもらいたいということなので、私も来週の木曜日が楽しみです。

「深層筋手技療法」勉強会(6/9土)

今回の勉強会は大腿後面の「ハムストリングス」を肘で緩めることです。ハムストリングスは写真1の外側広筋と写真2の大腿二頭筋と写真3の半腱・半膜様筋です。柔軟体操で前屈をして体が固い方は写真1の外側広筋、写真2の大腿二頭筋が固くなっています。先ずは筋肉の筋膜をしっかり両母指で確認して、その走行を把握しなければいけません。写真3のように両母指で「この筋肉なのか!!」と理解していないと筋肉は緩みません。ストレッチでもある程度は緩みますが、肘で適確に筋肉を捉えて緩めた方が3倍の柔軟性が出ます。私は技術を教えるとき、「何故、このようにするのか、そして、そうすることにより痛みが抜ける(緩む)のか」を理解して頂いてから手技を教えます。施術はパターンで覚えても症状は十人十色で体の部位が変われば押す強さも変わります。ですから自分が施術をしていることの意味を理解していないと絶対に結果は出ないと思っています。1時間で基本的なことを覚えて次週までに反復練習するように伝えましたが、この女性は必ず覚えてくるので毎週関心させられ、こちらもまた次の事を教えようという気持ちになります。

写真1                                                             写真2

 

写真3

「深層筋手技療法」勉強会(6/2土)

今回の勉強会は腰痛の「痛みの抜き方」を覚えることです。腰痛の好発部位は写真1の腰仙移行部です。痛みの箇所は分かっても痛みを緩和させるには両母指での患部にあてる角度、そして強さ(深さ)が大切です。練習では腰の痛みは患者に全くない為、ふくらはぎで練習しました。ふくらはぎは腰の筋肉より柔らかいので「緩み」が早く分かりやすいからです。患部を潰さないように両母指をあてて、筋硬結(しこり)から少しだけ沈めて放散痛(患部が刺激されて痛みを外部に出そうとする働き)が出ているかを患者に確認します。このまま2~3分持続して押していると両母指は患者の緩みに応じて自重で沈みます。次に芯の一番固い部分に再度あてて持続的に押していきます。これを繰り返して筋硬結の芯を小さくして痛みが緩和されるのですが、この「感覚」は何度も繰り返さないと覚えられません。1時間程私と一緒に押していくと「何かシュルシュルと抜けてきたのが分かります。」と彼女が言ってきたので、「そう、その感覚を体中で練習して覚えていくと施術でも結果が出てくるよ!!」と伝えました。技術は日進月歩ですので一つずつ体で覚え、自分なりに「これだ!!」という「自信」をつけていくことが施術者には大切だとも彼女に伝えました。本当に彼女は向上心が強いので、こちらもついつい真剣に教えてしまい、今回も充実した時間を過ごしました。

写真1

「深層筋手技療法」勉強会(5/26土)

今回の勉強会は足底の練習です。足つぼマッサージなどで足の裏の痛みは内蔵と関係しているなどよく聞きますが、全く関係ありません。足裏が押されて痛いのは常に地面と接地して体重がかかり、体の中で一番使うからです。人間の体重は写真1の「土踏まず」にかかり、親指と人差し指の間が一番疲れます。特に写真1の上には立方骨があり、ここからふくらはぎの真ん中まで通じる「後脛骨筋」がスタートします。この筋肉が歩行で一番使う為、足の裏がつったり、ふくらはぎがつりやすくなります。この親指(第1趾)と人差し指(第2趾)の間を写真2のように縦に押していき、特に写真1の箇所は圧痛点ですのでしっかり押します。次に第2趾と第3趾の間を同じように縦に押していくと、足裏の「むくみ」はかなり消失して軽くなります。「偏平足」の方はこの2本のラインの施術でかなり改善されて「アーチ」が復活します。次に第3趾と第4趾の間、第4趾と第5趾の間をしっかり同じように押していきますが、こちらは痛みは少ないので、強めでも大丈夫です。最後に写真3の母趾外転筋も同様に押していけば指全体が開いて足裏で地面を「つかむ」感じがでてスッキリします。片足10分で両足20分の施術で十分だと思います。勉強会では指と指の間の骨間筋を確実に捉える練習に1時間を費やしましたが、ただ押すだけでは緩まないので「スジ」(スパズム)が固く、患者が痛い方向で押す感覚を身に付ける必要があるので、マンツーマンで一緒に押しながら覚えてもらい、かなりの成果を得られたと思います。

写真1                   写真2

写真3

 

 

5/26(土) 「深層筋手技療法」勉強会(5/19土)

当院の勉強会に現在参加しているのは女性1名です。今回は腰の施術についてです。

腰痛は両サイドの腸肋筋と正中(背骨寄り)の2パターンに大きく分かれます。今回は左右両側の腸肋筋の悪い箇所の検索から始めましたが、写真1のように体を折って行います。写真2のように検索すると腸肋筋は体型に合わせて丸くなっているので深い箇所を取りこぼす可能性があります。「悪い箇所を検索できなければ施術にならない」ので、腰仙移行部(腰の下のライン)から胸腰移行部(腰の上のライン)まで全て検索します。次に筋硬結(しこり)が何ヵ所か見つかり。痛い順番を決めて行きます。一般的には「大きい=痛い」と思いがちですが、痛みの強い筋硬結は内部からの緊張も強く奥に引っ張られて「陥凹」していて沈んでいます。また炎症が強いと筋硬結は「おわん型」から「尖った山型」になります。この検索だけで1時間半の練習ですが、女性は汗だくになり必死にやっていました。

痛みの順番を決めて1番痛い箇所から施術していかないと症状改善はできず、母指の感覚も鋭くなりません。体中の全ての検索ができれば適確な施術もできるようになるのでそれまでは練習あるのみです。この女性は整体師ですが、最初に体全体の押し方しか教わっておらず、施術でつらい方を全く改善できずに悩んでいて当院の勉強会に参加しました。私も彼女の気持ちが十分過ぎるくらい分かるので、これから私の持っているスキルを全て提供して患者様に喜んで頂ける施術家になれるように協力していきます。

写真1                     写真2

5/25(金) 「深層筋手技療法」勉強会の内容について

この手技のメインになるのが持続圧迫法と言って患部に両母指をあててそのまま静止して患部の緩むのを待つというやり方です。鍼治療に近いのですが、違いは鍼は患部に刺して置鍼しますが、当院の手技は患部の「芯」を両母指で押して、緩みを感じたら即、方向を変えて再度芯を押します(一番抵抗のある方向に押し続ける)。これにより筋硬結や筋断裂の緩むスピードが上がり、症状改善ができます。言葉で説明するのは簡単ですが、先ずはスタッフと一緒に押してこの「緩む」感覚を体感してもらいます。一度覚えれば体中の全ての症状に対応できる基本が身に付きます。

当院の手技は全ての症状でもこの一番悪い箇所に両母指をあてて直接押すというやり方で頭痛、腰痛、膝痛など全ての症状に関する手技の方法はテキストがございますので、このテキストの内容に沿って指導していきます。また、このテキストは一つずつの症状に関しての手順を詳細に記載してますので、ご自分での復習にも必ず役立ちます。練習もご都合に合わせて来院して頂いて構いませんので興味のある方はご連絡下さい。