「深層筋手技療法」勉強会(7/28土)

今回は悪い箇所を両母指で探す「検索」の練習です。体中には疲れから乳酸が除去できずに無数の筋硬結(しこり)が存在します。また痛みの元である筋断裂も存在しますが、先ず、筋硬結が自分の両母指でしっかり検索できないと筋断裂は分かりません。方法は盛り上がった筋硬結の形状に合わせてリストと両母指を動かして検索しますが、「おわん」をイメージしてその表面をなぞる感じです。初心者はこの「おわん」を潰してしまうので分からないので、力を抜いてリストを使うことがポイントになります。参加している女性も必死に汗をかきながら探していますが、「コツ」を掴むまでは反復練習になりますので何回かはこの練習になりそうです。

「深層筋手技療法」勉強会(7/21土)

今回のテーマは患部の緊張を「緩める」ことです。一番痛い箇所に両母指をあてて持続的に押して「緊張=痛み」を抜くのがこの手技の特徴ですが、術者の押し方で患者の症状は変わります。術者の押し方に「力み」があると患部は更に緊張を増して症状改善はしません。写真1のように肩に力が入って押すと、押された感じが「硬い」ために患者は緊張します。理想は写真2のように腰を入れて「丹田」に力が入るようにして押します。体重をかけて押すとはこの形ですが、手技もスポーツと同じで下半身主導です。腰と下半身を患者に寄せてセットアップしてそれから両母指を沈めますが、このときに一瞬「タメ」が生まれて両母指を沈めます。こうすると「力み」は生じずに患者も力が入らない為、患部が緩む準備が出来ます。押すファームとしては写真3が理想です。

写真1                    写真2

 

写真3

「深層筋手技療法」勉強会(7/7土)

今回の勉強会は筋断裂の検索の練習です。筋硬結(しこり)はマッサージ等でも分かりやすく殆んどの施術家はこれを狙っていきます。しかし、「痛みの元」はこの「筋断裂=キズ」です。患者様が痛いと訴えた場合は大小問わずにこの筋断裂を施術しなければ症状改善はできません。検索は筋硬結のような固まり(筋硬結に筋断裂が存在する場合も多い)のように簡単には分かりません。先ず、患者様に聞いて何処が痛いのかを目安にして検索するのですが、ポイントは「筋線維の走行に垂直に存在する」ことと、「必ず筋断裂は陥凹している」この2つです。理論上はこの2つですが、先ず両母指の見極める感覚を養わなければならないので、練習で体中の筋断裂を検索する練習を繰り返すことです。筋断裂は痛みを伴わなくても誰でも必ず存在するので、当分の間はこの反復練習を積み重ねる必要があります。

「深層筋手技療法」勉強会(6/30土)

今回の勉強会は肩こりの施術のパターンです。好発部位は写真1の首の付け根です。ここにしこり(筋硬結)がある場合が殆んどです。男性は基本的に女性に比べて筋肉が太い為、肩こりが起きにくいのですが、過去に寝違えなどを生じて、ここに筋断裂がある方は慢性的な肩こりに悩まされます。この筋肉は写真2の肩甲挙筋ですが、一般的にはインナーマッスルと呼ばれ触りにくいと言われますが、触察の仕方が分かれば簡単に分かります。また、女性で肩こりで猫背になり顎を突き出す方は写真3の僧帽筋下行線維が固まっている為、顎を前方に突き出して伸ばそうとして姿勢が悪くなります。マッサージでは全体的に押して肩こりをほぐそうとしますが、キーポイントを知らないとすぐに戻ってしまいます。我々は先ずこの2点を集中的に緩めてから全体的に広げて施術します。ほぐし方を知らないと30分かけても効果はでませんが、方法を知っていれば10分で結果は出ます。

写真1                      写真2

 

写真3

「深層筋手技療法」勉強会(6/23土)

今回は頚部の施術としこり(筋硬結)の緩め方の勉強会です。頚部は写真1の頭最長筋に筋硬結が多く、特に写真2の頸椎2番の外側は眼精疲労や片頭痛の好発部位です。この筋硬結を検索してどの方向から両母指で押すのかを感覚としてある程度身に付ける必要があります。初心者の殆んどは両母指に力が入りこの筋硬結を潰してしまい、正しい方向が分からなくなるので、筋硬結を「おわん型」とイメージしてその表面をなでるように検索するように伝えました。この感覚を身に付ければ筋硬結の「芯」の位置が分かるようになり、その芯に両母指の先端を刺すように押していくことを体で覚えていきます。30分程で女性は体感できたので、次は芯に突き出したまま緩むまで待つ「持続圧迫」に移行しました。すると女性が「何か固まりがとろけるように母指が勝手に沈んでいく」と言い、「それが緩む感覚で、その箇所の痛みを抜くコツだよ!!」と伝えました。一度この感覚を成功体験で身に付けていれば、体のあらゆる箇所で再現していくだけです。次回は肩の練習ですが、このことを繰り返していけば3ヵ月で体中の痛みは抜ける「コツ」を覚えられます。

写真1                    写真2

 

「深層筋手技療法」勉強会(6/21木)

今回は殿部の痛みの出やすい(好発部位)箇所と両母指の押し方を覚える練習です。殿部は座っている状態で体重がかかる為、しこり(筋硬結)が出やすい部位で両母指で適確に検索して悪い箇所を探す必要があります。また、股関節痛は写真1の大腿骨頸周囲が固まり、特に写真の「L字」の頂点に筋硬結が存在しているケースが多いです。

筋硬結を緩めて痛みを軽減するには筋硬結の表面からその「芯」に両母指が刺さる感覚を身に付ける必要があります。このときに大切なのが写真2の両手の形が大切で母指以外の四指がリラックスしていなければなりません。殆んどの施術家はこの四指の指の付け根に力が入り、そのために母指が浮いて筋中に沈められません。これは「てこの原理」で四指の指の付け根が写真2のように浮いていれば簡単に母指の先端は沈められます。このようなことは「コツ」であって教わればすぐにできるのですが正しいフォームを教えられる方はなかなかいないようです。今後も若い施術家を育成して「痛みのとれる施術」を伝えていけるように一生懸命指導していきます。

写真1                    写真2

 

「深層筋手技療法」勉強会(6/16土)

今回は「殿部の筋肉を緩める」ことを覚えることです。写真1の大殿筋、写真2の中殿筋、そして写真3の股関節です。肘を使っての練習ですが、女性も肘の使い方にかなり慣れてきたので、私の教えたことにかなり早く反応するようになっています。後半は両母指で痛みの箇所を検索してそこを直接押して緩める練習ですが、この母指をしこりに「沈める」という感覚が難しいようで(実際にできる人は少ない)、今日はこの感覚を身に付けてもらうことになりました。悪い箇所を押すときに両手を写真4のように置くのですが、殆んどの肩は母指以外の四指の指の付け根(MP関節)に力が入ってしまい、そのために母指が浮いてしまうので、力で母指を沈めます。これは「コツ」があり、写真4のように四指の付け根に力が入らなければ簡単に母指の先端をしこり(筋硬結)に突き刺せます。このように教われば簡単にできることも自分で考えてもなかなか出来ないことは多いようなので、1つずつ丁寧に指導していこうと考えています。

写真1                 写真2

 

写真3                  写真4

 

「深層筋手技療法」勉強会(6/14木)

今回から夜の勉強会に男性1人が参加しました。柔道整復師で去年の4月に国家資格を取得したそうです。毎日30~40人の施術をしているということで時間にすると9~10時間フル回転です。この男性は、毎日施術をしていて「治す施術をしたい」と考えていたようです。この業界では毎日忙しく働いているが、本当の技術を教えてもらえずに苦しんでいる施術者が非常に多いです。しかし、この男性も1年でこのことに気付いたので立派です。普通は3年位で「自分はただ毎日施術をしているだけで治せないままで良いのか?」と考えるのですが、ここで正しい技術を身に付けたいと考える人と、この方が楽だからこのままで良いと流される人に分かれます。この1年は自分で考え、いろいろと勉強して今の手技をやっているとのことですが、独学にしては非常に高いスキルで驚きました。今回は1回目なので、肘の使い方を下肢で教えました。完全に力任せで「あたりが痛い」手技を、体重をかけて押す方法に変えました。人から技術を教わることが非常に新鮮だったらしく、汗をかきながら練習して8時から9時半までの1.5時間で習得してしまいました。「今の若者は指示待ち世代で言われたことしかやらない」と当院に来られる管理職の方もよく言っていますが、そんなことはありません。しっかり自分の考えを持ち、自分の意思表示のできる若者もいるんだと感心しました。また来週も教えてもらいたいということなので、私も来週の木曜日が楽しみです。

「深層筋手技療法」勉強会(6/9土)

今回の勉強会は大腿後面の「ハムストリングス」を肘で緩めることです。ハムストリングスは写真1の外側広筋と写真2の大腿二頭筋と写真3の半腱・半膜様筋です。柔軟体操で前屈をして体が固い方は写真1の外側広筋、写真2の大腿二頭筋が固くなっています。先ずは筋肉の筋膜をしっかり両母指で確認して、その走行を把握しなければいけません。写真3のように両母指で「この筋肉なのか!!」と理解していないと筋肉は緩みません。ストレッチでもある程度は緩みますが、肘で適確に筋肉を捉えて緩めた方が3倍の柔軟性が出ます。私は技術を教えるとき、「何故、このようにするのか、そして、そうすることにより痛みが抜ける(緩む)のか」を理解して頂いてから手技を教えます。施術はパターンで覚えても症状は十人十色で体の部位が変われば押す強さも変わります。ですから自分が施術をしていることの意味を理解していないと絶対に結果は出ないと思っています。1時間で基本的なことを覚えて次週までに反復練習するように伝えましたが、この女性は必ず覚えてくるので毎週関心させられ、こちらもまた次の事を教えようという気持ちになります。

写真1                                                             写真2

 

写真3

「深層筋手技療法」勉強会(6/2土)

今回の勉強会は腰痛の「痛みの抜き方」を覚えることです。腰痛の好発部位は写真1の腰仙移行部です。痛みの箇所は分かっても痛みを緩和させるには両母指での患部にあてる角度、そして強さ(深さ)が大切です。練習では腰の痛みは患者に全くない為、ふくらはぎで練習しました。ふくらはぎは腰の筋肉より柔らかいので「緩み」が早く分かりやすいからです。患部を潰さないように両母指をあてて、筋硬結(しこり)から少しだけ沈めて放散痛(患部が刺激されて痛みを外部に出そうとする働き)が出ているかを患者に確認します。このまま2~3分持続して押していると両母指は患者の緩みに応じて自重で沈みます。次に芯の一番固い部分に再度あてて持続的に押していきます。これを繰り返して筋硬結の芯を小さくして痛みが緩和されるのですが、この「感覚」は何度も繰り返さないと覚えられません。1時間程私と一緒に押していくと「何かシュルシュルと抜けてきたのが分かります。」と彼女が言ってきたので、「そう、その感覚を体中で練習して覚えていくと施術でも結果が出てくるよ!!」と伝えました。技術は日進月歩ですので一つずつ体で覚え、自分なりに「これだ!!」という「自信」をつけていくことが施術者には大切だとも彼女に伝えました。本当に彼女は向上心が強いので、こちらもついつい真剣に教えてしまい、今回も充実した時間を過ごしました。

写真1